茶道の心得として大切にされている言葉に、
「和敬清寂(わけいせいじゃく)」があります。
和やかに、
敬い、
清らかに、
そして静かに。
特別な作法のように聞こえますが、
実はとても日常的な言葉だと思っています。
朝、店を整える。
道具を拭き、火を入れ、釜に向かう。
誰かに見せるためではなく、
まず自分の気持ちを整えるための時間です。
小豆を前にすると、
こちらの都合だけでは進まないことを思い知らされます。
火を強めすぎても、弱めすぎてもいけない。
相手をよく見て、敬意を持って向き合う。
「和」は、独りよがりにならないこと。
「敬」は、相手を思うこと。
「清」は、手元だけでなく心を澄ますこと。
「寂」は、静けさの中に身を置くこと。
その一つひとつが、
あんこを炊く時間の中に、確かに息づいています。
慌ただしい日も、
思うようにいかない日も、
まずは呼吸を整える。
和やかに、敬い、清らかに、静かに。
それだけで、今日という一日は少し変わる気がします。
今日も、
日日是好日。
