「茶は服のよきように点て」。
千利休の教えの中でも、
もっとも本質的な一言かもしれません。
直訳すれば、
“飲む人にとって良いように点てなさい”。
濃くしすぎない。
薄くしすぎない。
温度も、量も、その場に合わせる。
つまり、
自分のためではなく、相手のために。
一見すると当たり前のようで、
実はとても難しいことです。
人はどうしても、
自分の基準で物事を測ってしまう。
このくらいが美しい。
このくらいが正しい。
このくらいが良いはずだ、と。
けれど、
目の前の一人にとってどうか。
そこに意識を向けると、
同じ一碗でも、点て方は変わります。
和菓子も同じです。
「この味が正解だ」と決めつけた瞬間、
どこかでズレが生まれる。
今日は少し疲れているかもしれない。
今日は誰かに贈るためかもしれない。
今日は久しぶりの来店かもしれない。
その背景に、どれだけ想像を巡らせられるか。
すべてを読み取ることはできません。
けれど、想うことはできる。
そのわずかな差が、
一つの味や、一つの所作を変えていく。
利休の言葉は、
技術の話ではなく、姿勢の話です。
うまくやることよりも、
誰かのためにあるかどうか。
日曜日の朝。
これから始まる一週間も、
きっと多くの人と関わる時間になる。
そのとき、
自分のやり方ではなく、
相手にとってどうか。
ほんの少しだけ、
その視点を持ってみる。
それだけで、
景色は変わるかもしれません。
今日も、
日日是好日。
