003 木挽町よしや「和敬清寂」

茶道の心得として大切にされている言葉に、
「和敬清寂(わけいせいじゃく)」があります。

和やかに、
敬い、
清らかに、
そして静かに。

特別な作法のように聞こえますが、
実はとても日常的な言葉だと思っています。

朝、店を整える。
道具を拭き、火を入れ、釜に向かう。
誰かに見せるためではなく、
まず自分の気持ちを整えるための時間です。

小豆を前にすると、
こちらの都合だけでは進まないことを思い知らされます。
火を強めすぎても、弱めすぎてもいけない。
相手をよく見て、敬意を持って向き合う。

「和」は、独りよがりにならないこと。
「敬」は、相手を思うこと。
「清」は、手元だけでなく心を澄ますこと。
「寂」は、静けさの中に身を置くこと。

その一つひとつが、
あんこを炊く時間の中に、確かに息づいています。

慌ただしい日も、
思うようにいかない日も、
まずは呼吸を整える。

和やかに、敬い、清らかに、静かに。
それだけで、今日という一日は少し変わる気がします。

今日も、
日日是好日。

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